COLUMN

材コラム

世界最高のマネジメントは昔の日本にあった

良い会社を創る時に大事になるのがマネジメントとマーケティングです。
良好な人間関係の元、モチベーションと才能あふれるメンバーが有機的に繋がり成果を出していく。

ファンとリピーターが付き、成長し続ける商品やサービスに顧客が魅了されていく。

経営者なら誰でも悩んだことがある「人」の問題と「カネ」の問題に悩む事が無くなり、より創造的な仕事に集中出来る環境が揃い、さらに成果につながる。

私も創業当初は毎日悩んでいましたし、会社が軌道に乗ってからも周りの経営者からの相談は常に人の事とカネの事です。

そんな中、ある衝撃的な本に出会い、大切だと思う本質的な考え方を言語化出来るようになりました。それが、

宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み

nisioka

感性を大切にしてきた日本人が、世界最古、世界一の木造建造物を創るに至った理由がこの一冊にまとまっています。

本の内容は購入して読んで頂きたいのですが、ここでは宮大工の棟梁が口頭で伝え継いできた「口伝」の一部と、私なりのマネジメントに応用した時の解釈を紹介します。()内は私の解釈です。

 

堂塔の建立には木を買わず山を買え。

(何かを成そうとするとき、人を選定して採用するのではなく、地域の全ての人材を活かせ)

 

木は生育の方位のままに使え。

(南向きの木は南に、北向きの木は北に使う。仕事に人を合わせるのではなく、人の性質にあった適材適所を。)

 

堂塔の木組は木の癖組。

(木を組むとは木の癖を組む事。人を活かすとはその人の癖を活かす事)

 

 

木の癖組は工人たちの心組。

(よい仕事をするためには、メンバーの心を組む事)

 

 

工人等の心根は匠長が工人への思やり。

(メンバーの心を組むためにはリーダーの思いやりが重要)

 

 

百工あれば百念あり。一つに統ぶるが匠長が裁量なり。

(100人メンバーがいれば100の想いとビジョンがある。1つにまとめるのがリーダーの仕事)

 

 

百念を一つにまとめる器量なきものは匠長の座を去れ。

(メンバーの想いとビジョンを1つにまとめられないリーダーはその座を去れ)

 

 

いかがでしょうか。一つ一つの言葉に重みと深みがあり、経営者にとってもマネジメント層にとっても一生の学びに繋がるのではないでしょうか。

多様性という言葉すらなかった1400年前の日本に、「多様性・ダイバーシティ」「持続可能社会」につながる、全ての人を活かすマネジメントの考え方があった事に日本人として誇りを感じます。