COLUMN

材コラム

宮大工の仕事を感じに法隆寺に行ってきた1

宮大工10の口伝・法隆寺

法隆寺訪問の理由

材の社名の由来になっている、「宮大工10の口伝」が世界最先端のマネジメントなのではないか?という記事は前に書きましたが、先日、その仕事を感じるために法隆寺に行ってきました。

そこで感じたことを、材の今後を担う後輩やマネジメントについて悩んでいる方のために何回かに分けて残そうと思います。

今回法隆寺を訪問した事の一番の目的は、「ほかの木造建造物が3~400年でほぼ建て替えることになる中、なぜ法隆寺は1400年も持ち世界最古の木造建造物になり得たのか?」という問いの答えを得ること。
100年続く建物でもすごいですが400年続く建物をつくるなんて、なんという感性と技術だ・・・と感動します。400年でも感動レベルなのに、1400年って奇跡とすら言えますよね。

ですので、その秘密を現地のガイドの方や宮大工の方から見聞きし、実物から感じ、会社経営に活かしたかったのです。

宮大工が大事にしてきた感性がなぜ理論に勝るのか?エビデンスエビデンスいわれる中でその答えを得たかった事もあります。

例えば適材適所がどのように実装されているのかとか、木の声を聴いてどう建築に生かしているのかとか、感性から現実にどう落とし込まれているのかを知りたくて行ったわけです。

予想外の答え

そんな中、現地のガイドの方や法隆寺のスタッフの方々に「法隆寺1400年のポイント」を聞く中で予想外の答えが一番多かったのでここで紹介します。

私としては、

「ふつう曲がった木は使わないが梁のここにこう使っている」とか、

「北にあった木は年輪が細かくて年の割には硬く変化しにくいからここに使っている」とか、

「木と向き合う中、こう聞こえたからこう使ったんだ」

みたいな不思議っぽい話とかを聞きに行ったのですが、ガイドの方々曰く「君みたいに宮大工の仕事を経営と結び付けて考えているのを見たことがないからよく分からない。宮大工の人に話したいといっても門前払いされるだけではないか?でも、こういう事なら言えるよ」

という意見がほとんどでした。

そして、5名くらいの方に聞いた話のなかで全員が一致していた意見が、

「法隆寺は争いが少なく、戦禍にさらされなかった」というもの。

聞きたい話とは方向が違ったのですが、マネジメントや会社運営を行う上で、仲間間の衝突やチーム結成時の違和感(コンフリクトマネジメント)をどう扱うのかが重要だという事は改めて気づかされました。

そういえば、会社存続の危機ってお金のことは借り入れで何とかしてきたしサービス改善によって売り上げは増やせるし、利益率向上の施策も無限に打てるけど、人のぶつかりって一番の悩みだし、逆にそこが解決できている時期ってモチベーションも高く離職率も低いよなあ・・・と。

無くなっていった会社や組織を見ていると、確かに争いごとが絶えない会社か経営者がなんかやらかしたか、マーケティングが出来ていないかどれかです。争いが少ない。これは納得しました。

争いがない会社実現のために

争いがない会社。個人個人の考え方は違っても、思いを一つに納得できる関係を構築すること。

意見の違いをストレスではなく成長機会にする包容力と思考をベースに持つこと。

理解されにくくてもそれを言い続け、発信し続けること。肝に命じようと思います。

気が向いたらになりますが、続編として宮大工10の口伝について現地で感じたこともまとめます。