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三沢市姉妹都市委員会
太平洋無着陸横断飛行90周年事業
1931年に青森県三沢市(当時の三沢村)淋代海岸から離陸した飛行機「ミス・ビードル号」による太平洋無着陸横断飛行成功から90年を記念した事業のアドバイザーとして、企画立案制作及び事業推進を担当させていただきました。
この事業の推進におけるポイントは、三沢市及び三沢姉妹都市委員会がこれまで行ってきた歩みをコロナ禍においても停滞させない事と、課題である語り部人材の不足に対する取り組みの実施です。
我々は、発注者と受託者という立ち位置を越えた官民連携による成果の創出が大きなテーマであると捉えました。
まずはじめに取り組んだことは、現代人がこの偉業の達成から何を学び、何が明日への力に変わるのか?という自分事として捉えてもらうきっかけづくりです。
長年ミス・ビードル号による世界初「太平洋無着陸横断飛行」達成という事実情報のみが成果として語り継がれてきたことに着目しました。そこで、発注者メンバーにそれらテーマを投げかけ、官民連携チームとして熱量高く議論して90周年事業としての標語を導きだしました。
「挑戦する勇気、夢支える雄志」
これは、90年前のまだ外国人の存在が珍しかった時代から存在している三沢の多様性文化を表現し含んだ本事業の軸となる言葉です。より単純化するならば、「挑戦者もヒーロー、挑戦者を支える者もヒーロー」ということになります。三沢人がもつアイデンティティにも通じる言葉と考えています。
また、課題である語り部人材の育成には、ICTを活用したウェブ教材の整備を行いました。教育現場の人手不足や生徒の多忙という課題、学校でタブレット端末が各人に割り当て導入された現場情報なども踏まえて、本事業だけの単独行動になることなく、周知浸透定着に向けた横型連携も意識して行動しました。
事業の目的達成に向けた軸が決まれば、あとはエンターテイメント性あるPRツールの展開です。パイロット気分の写真が撮れるバス「ミス・ビードル号」もその一つです。一般的な広告手法「ラッピングが施された派手な乗り物」の整備ではなく、利用者メリットを全面に押し出した「自分が乗りたくなる!」「子供を乗せたくなる!」をキーワードにまとめたこともポイントです。同時に、車内は歴史ヒストリーの情報インプット場所「車内教室」として展開し、遊びながら学び知らず知らずに語り部人材の育成が進む工夫も施しました。
歴史・前例・実績などを十分理解したうえで、既存の概念に囚われることなく目的に向けた最善最適な行動指針を提案することが、新たな概念「ニュースタンダード」を生み出し、それが次なる既存概念「スタンダード」として定着し、地域課題の前進につながると考えています。